メモ帳

アニメ・ゲーム系のすきな音楽を紹介します

2019年の良い曲

いままでは今年の10曲は曲目だけTwitterに上げる形で済ませていましたが、

今年は重い腰を上げて文章を書いてみることにしました。

音楽知識が薄いので感覚的なところを中心に書いていきたいと思います。

間違っているところも多々あると思いますが、教えてもらえればうれしいです。

文章が短い順に並べたので下に行くほど長いです。歌唱者・コンテンツ、作編曲者は重複しないよう選びました。

*12/22一部訂正しました

 

  1. Tone
  2. Girl is fun
  3. For you! For みい!
  4. PLASTIC POKER  
  5. スペクトラム ブルー
  6. ひよこのうた
  7. DESIGNED LOVE
  8. 細やかに蓋をして
  9. シュガーコートドリーム
  10. 土曜日のフライト

 (番外)ドリ☆アピ

 

Tone 

蒼井翔太

作詞:園田健太郎 作曲:園田健太郎 編曲:日比野裕史

Tone(シングル)収録 Tr.1

youtu.be

あまり自発的に聞くことはないアーティストでしたが、クリエイターセッションイベントで紹介され惹かれました。昨年選出した内田雄馬Before Dawn」を手掛けた園田健太郎(Before Dawnは伊藤翼さんとの共同)さんによる曲で、どちらも男性ボーカルながらサビのハイトーンが心地良い仕上がりです。MVに出てくる青空のような爽快さが伝わってきます。

園田さんは多くの曲で作詞も手掛けるほか、詞のみの提供も行っているところが特徴的かもしれません。

 

 

Girl is fun

内田真礼

作詞:y0c1e 作曲:y0c1e 作曲:y0c1e

 you are here(ミニアルバム)収録 Tr.3

 

サニーデイ・サービス曽我部恵一さんの参加などで話題になったミニアルバムですが、その中で最初期から曲を提供されているy0c1eさんによる楽しいポップスです。非常に軽妙でキャッチーなメロディにしっかりと最近のEDM要素を汲みいれたトラックです。潮流に合わせるとどうしても重い音になりがちなジャンルですが、メロを邪魔することなく聴きやすく整えられています。

氏の得意な分野のようで、FutureBass感が強くなりますが「キミの世界にまざりたい」のような曲も今年発表されています。気になった方はぜひ。

 

 

For you! For みい! 

長谷川みい(CV:空見ゆき) (Re:ステージ!)

作詞:やしきん 作曲:やしきん 編曲:やしきん

Personal Music『ひと夜ひと夜にひとりごと/For you! For みい!』(シングル) Tr.2

ド頭に鳴るシンセから一瞬でハイテンションが伝わるような曲です。”みぃ”に関する連想ゲームのように次々と物が登場するAメロの歌詞の詰め込み方が頭に残ります。特に各所で取り上げられるようにミソ#シEmajorのRootというフレーズはインパクト抜群で、音楽の話をしていても会話に出てくることはないような一節ですが、これを歌詞に入れてしまうところが非凡ですね。いわゆる電波ソングを得意とするやしきんさん、実際にお話を伺うと話の組み立て方がうまく聡明な方で、作られる曲とのギャップにも驚きました。

 

 

PLASTIC POKER 

リアム&ノーマン[御影密、雪白東(CV:寺島惇太柿原徹也)](A3!)

A3! BRIGHT WINTER EP 収録 Tr.1

作詞:只野菜摘 作曲:広川恵一(MONACA) 作曲:広川恵一(MONACA)

曲を再生した瞬間にうなる印象的なベースに引き込まる曲です。広川さんの曲は少ない音数でトラックを成立させるバランスが絶妙です。

イントロから鳴るスラップベースでロックっぽく感じさせながら、全体的にはアシッド・ジャズ的なサウンドになっています。途中で一瞬曲が終わってしまうかのようなポイントがあり、複雑なドラムパターンで勢いを取り戻していく展開も聞きどころです。

CDへの収録は今年となったため選外にしましたが、昨年のイベント曲として公開されたアイドルマスターシンデレラガールズの「アンデッド・ダンスロック」が好きな方は気にいるのではないでしょうか。ほとんどの楽器を広川さん本人が演奏している点も共通ですね。

 

Gt,Ba,Other:広川恵一 Dr:金川卓矢 

 

 

スペクトラム ブルー

田所あずさ

作詞:大木貢祐 作曲:神田ジョン 編曲:神田ジョン

RIVALS(シングル)収録 Tr.2

2ndアルバムIt's my cue、3rdアルバム So What?でロックシンガーとしての印象を強くした田所あずささんですが、最近のシングルではややマイルドな方向にシフトしている感があります。そんな中でもRIVALSカップリングとして収録されたこの曲は一際静かです。

作詞に同じホリプロ所属のシンガー大木貢祐さんを初めて迎え、読書家の氏によるものらしく文学的な詞です。同じく神田ジョンさん作曲のバラード、運命ジレンマ収録の「EMOTION」と比べてもしっとりとした、ロック曲とは対称的な歌声ですが個人的はこの歌い方が最も声質に合っているように感じます(So what?の各曲も好きです)。最後の”弱いかな”の消え入るような歌い方が非常に上手いです。

昨年選んだ「I knew the end of love」もそうですが、明るいシングルに収録される物寂しいカップリングがとても好きです。

 

Gt:神田ジョン Ba:堀江晶太 Dr:SHiN 

 

 

ひよこのうた

Le☆S☆Ca (Tokyo 7thシスターズ)

作詞:カナボシ☆ツクモ 作曲:Tetsushi Enami 編曲:Tetsushi Enami

ミツバチ(シングル)収録 Tr.2

最近方々に出ずっぱりのUSG田淵智也提供で話題になったミツバチのカップリングです。表題のミツバチのほうも勝手知ったるやしきんのアレンジにより爽やかなロックに仕上がっており好きな曲ですが、一聴したときの印象でこちらを選びました。

作編曲の江波哲志さんはアイドルマスターミリオンライブ等の提供のイメージで、アップテンポなアニソン系の作家と勝手に思い込んでいたのですが、ハウス系にルーツのある方だそうで、今回は2step UK Garageを落とし込みながらキャラソンとしての輪郭を崩さない仕上がりになっています。さらに本人談としてSMAPなどへの提供で知られるコモリタミノルさんへのリスペクトを込められているとのことで、一聴したときのJ-POP的な印象もある総合的なバランスに優れた曲に感じました。日常にある感情の機微をかわいらしく描いた歌詞もよくマッチしています。

 

 

DESIGNED LOVE

MATULIP (GEMS COMPANY)

作詞:瀬尾祥太郎(MONACA) 作曲:瀬尾祥太郎(MONACA) 編曲:永谷喬夫

GEMS COMPANY(アルバム)収録 Tr.5

MONACA岡部啓一さんが音楽プロデュースを手掛けるVTuber集団、GEMS COMPANYのユニット曲です。劇伴が中心で歌モノが少なかったMONACAの若手瀬尾さんがほとんどの曲を手掛けており、幅広い引き出しに驚かされました。中でもこの曲はSURFACE永谷さんが編曲していることもあり、しっかりとMONACAの文脈を受け継いだメロに、少し前世代的なデジタルサウンドの組み合わせが心地良いアレンジに仕上がっています。歌唱もしっかりしていながらキャラソンとしてまとめられている感覚があり聴き応えがあります。同アルバムに収録された曲で、クール系の曲としては「形而境界のモノローグ」がありこちらもおすすめです。やはりサビのコードワークにひねりがあるところに諸先輩の影響を感じますね。

ちなみにこのアルバム、全曲インストが聴けます。素晴らしい。 

 

 

細やかに蓋をして

坂本真綾

作詞:川谷絵音 作曲:川谷絵音 編曲:川谷絵音 ストリングス編曲:徳澤青弦

今日だけの音楽(アルバム) Tr.9

坂本真綾さんのアルバムは毎度そうそうたる顔ぶれですが、今回も国内バンドが好きな人にはたまらない布陣ですね。このアルバムには川谷絵音さん提供曲が2つありますが、こちらのほうがゲスの極み乙女。の音楽に近いでしょうか。ハイトーンから始まるモチーフがサビの中でも繰り返されひときわ頭に残ります。主張の強いベースラインが1Aではウォーキングっぽく始まり、サビを挟んで2A以降では細かくリズムを刻んでいく変化も心地よいですね。同じく川谷さんが夢みるアドレセンスに提供した「大人やらせてよ」が好きな方は気に入りそうです。

スタジオ・ミュージシャンもなかなか豪華で、ゲスの極みのメンバーを中心にストリングスが加わる形になっています。ドラムのBOBOさんは今年 TK from 凛として時雨 のツアーサポートなどもされていました。2ndVlの徳永さんはお馴染み室屋光一郎さんとクレジット一緒によくお見かけします。

同アルバムの「お望み通り」は「逆光」なども提供された東京事変等でお馴染みの伊澤一葉さん作曲で、こちらもウォーキングベースがたまらない一曲です。ベース好きな方はぜひ。

Gt:木下哲 Ba:休日課長 Dr:BOBO 1stVl:藤堂昌彦 2ndVl:徳永友美 Vla:梶谷裕子 Vc:徳澤青弦

 

 

シュガーコートドリーム

白咲花(CV:指出毬亜

作詞:5u5h1 作曲:5u5h1 編曲:5u5h1

「私に天使が舞い降りた!」キャラクターソングアルバム~天使のうたごえ~ Tr.1

メロのかわいらしい歌声と裏腹にオケが強烈な一曲です。全編に渡っていわゆる分数aug(ex,Black adder)と呼ばれるコードが散りばめられており、イントロ・間奏では同じ形のコードを連続で動かしていく手法(コンスタントストラクチャー)が分数augで使われています。この分数augの使い方は、ラブライブサンシャインの「Guilty Eyes Fever」のラスサビ前でも登場しますが、この曲ではリフとして繰り返し登場するためさらにドギツイ印象です。

サウンドとしても重めのEDMがベースとなっており、メロとオケの対比がおもしろいトラックに思います。ここ数年アニメ・ゲーム系ミュージックでもFutureBassやTrap、さらに最近ではJersey Clubなどの要素*1が積極的に取り入れられるようになっています。今年はとりあえずこのジャンルで作っておけばいいだろう、という安易さが出てしまっている曲がチラホラあり残念に思うこともありましたが、半端に迎合せずに作られているところに好感が持てます。

 

 

土曜日のフライト

Wake Up, Girls!

作詞:只野菜摘 作曲:田中秀和(MONACA) 編曲:田中秀和(MONACA)

Wake Up, Best! MEMORIAL(アルバム) 収録新曲 Disc3 Tr.8

 

どれだけ彼女たちに強い気持ちを寄せて作られたのだろうと考えをさせられる一曲です。

序盤は音数も少なく、ややレトロな音に出発前の空港が描かれた歌詞が乗ってどことなく物寂しい雰囲気が表現されています。ところが2サビ明けからストリングスが加わると、音数に合わせてボーカルが力強く変化していき、グループの解散を前にして抱く漠然とした不安が徐々に表出し、感情が溢れていく様が見事に表現されています。

全体の構成でもこの点は強調されていて、一聴するとサビに聞こえがちな、曲名を繰り返し歌うInterパート*2が、終盤に近づくにつれ長くなっていきます。

ジャンルとしてはいわゆるAORと呼ばれるものに近く、田中さんの代名詞的な存在となっているオーギュメントなどのトリッキーなコードはこの曲ではほとんど使われておらず、大サビ終わりに登場するsus4からトニックのようなシンプルな進行が印象的です。

歌謡的なAORで空港を描いた曲となると、KIRINJIの名曲「愛のCoda」を連想しますが(本人談によるとジュディオング調)、風景を強くイメージさせる歌詞という点も共通しているように思います。 

また、弦が2番以降で乗ったり厚くなる構成は、近年の田中さんの曲(桜の風、Share the lightなど)で多用されており、ドラマチックな印象を強くするように感じます。コード進行に注目されがちですが、個人的に各曲ともストリングスの乗せ方が非常に上手いと感じていて、弦自体のメロを聞かせる(例えば上松さんのような)作りではありませんが、メロの隙間で細かく動かして間延びした印象を与えないようにする部分が特徴的に思います。シンデレラガールズのキャラソンとして年末に発表された「Blessing」も、鹿乃さんに提供された「Linalia Girl」を思わせるミナス地方チックなサウンドに、乗せられたストリングスが心地よい曲です。残念ながら現在聞くことができませんが、PS4のPVに合わせて作られた「夢の中へ」のマッシュアップは田中さんの管弦編曲における集大成のようなトラックとなっていました。

MONACA曲ではお馴染み堀崎さんによるアウトロのギターソロも、終わりの長いサスティーンと相まって郷愁を感じさせる音になっています。手を離すところまで録音されているところも田中さんらしいポイントに感じます(CAFUNEなど)。

今年も数多くの名曲を発信してくださった田中秀和さん、特に11月末からの公開ラッシュでは多いに選曲を悩むこととなりましたが、やはり春先に公開されたこの1曲にしました。

Gt:堀崎翔 Ba:渡辺等 Dr:山本真央樹 Violin:今野均、森本安弘 Viola:長石篤志 Cello:村岡苑子

 

 

 

(番外)ドリ☆アピ 

Bird (CUE!)

作詞:中村彼方 作曲:石濱翔(MONACA) 作曲:石濱翔(MONACA)

CUE! 00 limited mini album See you everyday(アルバム)収録 Tr.3

youtu.be

先ほどのA3!を展開するLIBER Entertainmentが今年新たに配信を開始したゲーム、CUE!のユニットソングです。コミックマーケット等で先行的に販売されたミニアルバム収録で規格品番も振られているのですが、正式には来年発売のシングルに収録されるようです。このような曲はどちらの年に入れるか迷ってしまい取り上げられないことが多いので、枠外という形で紹介します。

石濱さんは「episodo solo」や「Pretty Liar」のようなドラムン・ベース基調の電子音楽と、反対にさわやかなバンドサウンドが持ち味と思っていますが、後者の見本のような楽しい曲です。アイカツの曲を連想した方も多いのではないでしょうか。MONACA曲ではお馴染みのメンバーによる生音で、入りのフィルインを始めとした間奏のプレイだけでも楽しめます。

”夢に好かれたい”という歌詞が特に雰囲気に合っていて気に入っています。

最後にmasshoiさんへの感謝を込めて。

 

Gt:堀崎翔 Ba:田辺トシノ Dr:山内"masshoi"優 Pf:Sugarbeans

 

 

本文で紹介できず選外となりましたが、他にも今年出た良い音楽をいくつか紹介したいと思います。

ファーストプロット夏川椎菜

作詞:夏川椎菜 作曲:田中秀典 編曲:川口圭太

ファーストプロット, a song by Shiina Natsukawa on Spotify

アルバム全体が素晴らしいです。一番好きなのは昨年のシングル「パレイド」ですが新曲ではこれかな。

Phantom JokeUNISON SQUARE GARDEN 

作詞:田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:UNISON SQUARE GARDEN

Phantom Joke, a song by UNISON SQUARE GARDEN on Spotify

試聴からかなり繰り返し聴いてました。c/w mouse to mouse(set you)もかなり好きです。

 「印象浜口あやめ、白菊ほたる、三船美優

作詞:烏屋茶房 作曲:篠崎あやと 編曲:篠崎あやと

https://www.youtube.com/watch?v=KlzjzTUVdIk

お願いマッスルが話題になったコンビですがこんな曲も作るんですね。

月光陰 -Moonlight Shadow-」四十物十四(榊原優希)

作詞:Euskyss(Leetspeak monsters) 作曲・編曲:Leetspeak monsters

月光陰 -Moonlight Shadow-, a song by ヒプノシスマイク -D.R.B- (四十物 十四) on Spotify

ちょっとシンフォニックメタルっぽい?感じが好きです。

Raise Your Heart!!」亜咲花

作詞:亜咲花田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:堀江晶太

Raise Your Heart!!, a song by 亜咲花 on Spotify

最近コンビを組むことの多い二人。これが一番良いところをミックスしてる感じがします。

 

最後に、私が今年一番Spotifyで聴いた曲はこれでした。

open.spotify.com

何回聴いても本当に良いトラックですね。

アイカツオンパレード7話を見てない人は必ず見てから2020年に進みましょう。

 

それでは。